seepking indexへ text blog off link このぶつかり合い…格別だ!
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■時間は問わない


「なあ、デートしようぜ」

開口一番にそう発言された。ずしりと身体に重さを感じ、寝苦しさに目を開けた。その瞬間に言われた言葉だ。
まず、重さの正体を確認する。遠方に住む知り合いだった。金縛りにあったわけではないようだ。
時間を確認する。外が明るくなるかならないかの時間帯、まだ目を覚ますには早かった。
それを踏まえて言われた言葉を理解しようとした……理解できなかった。その言葉を理解している暇があるのならば二度寝をしたほうが良いと、脳の中枢が指示している。

「有限実行。思い立ったら吉日。デートしたいと思ったら即デート」
「…………」

肯定する言葉も否定する言葉もからかう言葉も出なかった。身体が声を発する事を拒んだ。目蓋すら、半眼を保つのが精一杯だと言っている。もう身体が団結して睡眠を望んでいた。
デートデートと良く鳴く鬼柳の腕を掴み、最低限の力で引っ張った。鬼柳はバランスを崩してベッドへ横にある。

「うわ、何だよ何すんだよ」
「……」

鬼柳を布団の中に招き入れると、抱きマクラの要領で抱きしめる。その細さから、抱き心地が良いとは言えなかったが。

「お、おいジャック……っ! 何やってんだよなんだよこれ……おい待て寝るな! ジャック…!」

なにやら騒いでいる鬼柳の声を遠くに聞き、脳は睡眠の合図を出した。




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