seepking indexへ text blog off link このぶつかり合い…格別だ!
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■中立

「なぁ・・・」
昼休み、クラスの違う同級生と並んで廊下を歩く。
なかなか結構これがめずらしいかもしれないな。何せ二人きりだし。
相手はこちらを見て微笑んできた。俺は表情の変化を見逃さないように様子を窺いながら、必要最低限にすら満たない短い言葉をぶつけてみた。
「さっきの・・・見ちまったんだが」
期待に反して相手の表情は変わらなかった。さすがに我を忘れて慌てふためくなんてことは無いだろうと思ったが、せめて目を丸くするとかそーゆー反応くらいはあると思ってたんだが・・・
「ええ、気づいてました」
目を丸くするのは俺の方になってしまった。
おいおいマジかよ。俺はたまたま通りかかったら部屋のドアが開いていたから余計な気が回って締めようとしたところにお前の声がきこえてきて何か企んでいるのかとちょろ~っと覗いただけだぞ?気づいてたっておい・・・お前は超能力者か。あ、超能力者だったな。
「特定の場所で一定時間だけのものですので、ご期待に副える能力は持ち合わせていません。今回は・・・どうやら僕もハメられた方・・・と申しますか」
まあ流れとしちゃあそうなるだろうな。何の違和感もない。お前ともあろうものがあの生徒会長ごときにハメられるという点を除いて、だがな。
古泉の笑顔が苦笑に変わる。
「それはいいすぎでしょう・・・・・・貴方が思っているほど、僕は出来た人間ではないということですよ」
知ってるさ。そんなの。自分で気づいてるか?古泉。表情と口調はいつもどおりをキープできてるけどな・・・
「手、震えてるぞ」
「・・・・・はは、まったく気が付きませんでした・・・僕もまだまだですね。本当に・・・恐怖してるんですよ」
古泉は自分で自分の手を押さえながら俺にしかきこえないような声でつぶやいた。
「貴方に・・・拒絶されることに・・・」
「・・・・・・・・拒絶するんなら俺はお前と会話どころか5m以内に接近もしないぞ」
「そう・・・ですね。ありがとうございます」
何に対しての礼だよ。俺は何もしてないぜ?
「貴方に出会えたことに、ですよ」
突然何言い出すんだ。寒いわ。
「本心です」
「やれやれだ・・・」
本調子に戻った古泉を見て心底安堵してる自分に対して、大きなため息をついてしまった。




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